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「ブラックなんダー」 黒の恨み唄I 【デビュー編(2)】 |
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『 男と男が ふたりいて〜 黒くて太い〜 棒がある〜 誰もたたかぬ 棒なれど〜 エンヤコラ 今夜は 担いでく〜 Bow and Bow 〜 Bow and Bow 〜 たたかないてでね Bow Bow 〜 』 アンコールは十数回に及んだ。 聞くもの皆が、目にいっぱいの涙をたたえ、中には泣き声を押し殺すことが出来ずに嗚咽するものさえいる。 ・・・凄い情景だ。 一方、歌っていたブラックなんダーにも、不思議なことが起こった。 歌詞は一番のみ、曲も一小節目までしか完成していなかったはずの『黒の恨み唄』であった。 が、二小節目から三小節目、と自然に唄が涌き上がるように口から出てくるのだった。 歌うブラックなんダーの目からは、涙がとどめなく流れ、涙と共に歌が口から流れ出るのであった。 決して美しい声ではないが、当時の人々の心に共鳴する何かがあるメロディーだったのだろう。 この歌詞で泣けるのであるから。 ・・・のちにこの唄は、拘置所の中だけではなく、広く日本中に流行ることとなる。 レコードは発売と同時に大ヒットとなり半年で100万を超えるミリオンセラーとなった。 以前、ブラックなんダーが見た夢は“正夢”になった。 唯一違ったのは、「CD」のはずが時代の都合で「LP」になったことであった。 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 |
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