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ブラックなんダー
「ブラックなんダー」 黒の恨み唄G 【タイムスリップ編(3)】


拘置所の中では『■命家』や『学say闘士』という連中も案外おとなしくなっていた。

最初こそ「官権の横暴だ!」「断固粉砕!」などと騒いでいたのに、夜になるとメソメソ泣いているヤツもいる。

顔を見ればみんなあどけない青年・少年たちだ。

「■丸派」や「中▲派」とか言っても、ブタ箱の中では「同じ箱のブタ」である。

ブラックなんダーは彼らと仲良くなった。



はじめのころは、彼の異様な姿に違和感を感じていた青年たちも、年長の彼に心を開き、なじんできた。

青年は質問する。「ブラックなんダーさんは変わった名前ですが、お年はいくつですか?」
 
彼は正直に本当のこと(?)を言う。 「588歳」。

拘置所の中は、笑いの渦と化した。さらに彼の職業についても質問が。

「ゲージツ家、シンガー・ソングライター」と答えた。

今度は、皆が真顔になった。突如として彼らの眼(まなこ)には尊敬と羨望の念が浮かんだのである。


「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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