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「ブラックなんダー」 黒の恨み唄E 【タイムスリップ編(1)】 |
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ブラックなんダーが吉JO寺駅入り口の階段を昇ろうとしていた時である。 ブラックなんダーは、階段を踏み外し、すっころんでしまった。 「あいてててて・・・。」しこたま打ち付けた腰をさすりながら、ブラックなんダーがなんとか立ち上がると、彼は周囲を遠巻きに警官隊に囲まれていた。 「あれ?! 俺の『ケータイ』がない!? オイ、そこの警察の人、知らねーか?」 「『ケータイ』?!」 「おぅ、『携帯電話』だよ! 『ガラケー』じゃねーぞっ! 新型の『 I ホン』っ! もちろん黒いヤツだっ!」 「黒い・・・電話なのか? 黒い電話を、持ち歩いているのか?」 「黒に決まってるだろ! 畜生っ!この間買ったばかりなんだぞっ! せっかく黒熊のストラップも付けたってのにっ!」 「熊まで、持ち歩いているのか・・・?!」 ・・・次の瞬間、ブラックなんダーは警官に捕縛されてしまった。 別に何か彼が悪いことをしたわけではなかった。 が、しかし、明らかにブラックなんダー「挙動不審者」ないしは「異常者」だった。 彼を逮捕した警官達は、誰も『ケータイ』『ガラケー』『 I ホン』『ストラップ』の意味がわからなかった。 彼らにとって「黒電話は家にあるもの」であり、そんな物を持ち歩く黒ずくめの男など、「怪しさ大爆発」以外何者でもなかった。 ・・・時は69年末。反米闘争、学生運動華やかなりし頃・・・。 ブラックなんダーは持ち前の“超能力”で、スリップ事故のついでに、タイムスリップまでしてのけてしまったのだ。 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 |
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