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ブラックなんダー
「ブラックなんダー」 黒の恨み唄D【作詞家編(5)】


このようにして、名(迷)曲『黒の恨み唄』は生まれた。

ブラックなんダーの見た夢は視覚的と言うより、じつに聴覚的なものだった。

彼は、鮮明にこの歌詞とメロディーを思い起こし、譜面に書き取った。

題名は、『恨み歌』から転じて『黒の恨み唄』とした。


「恨み言」という言葉があるが、これは、愚痴のことである。
「唄」とは、もともと「多くの人が声を合わせて仏教の教典を読みあげ、仏や菩薩を称える」という意味の言葉だ。
このふたつを足して暗に転じれば、“しつこく恨む”という意味合いに取れなくもない。

要するにみんなでグダグタ、タラタラと愚痴を言うのが「恨み唄」だ。

このしまりのないぐうたらな感覚が、ブラックなんダーにはたまらなくマッチしたのかもしれない。


ただ、この歌はまだ一小節しか出来ていない。
どうしても、夢の続きが見れないのだった。

「まあ、いいや! なんとかなるだろう。」
楽天的なブラックなんダーはできあがったばかりの新曲をひっさげロードデビューを果たすことにした。

人に会うとなれば、シンガーソングライターは第一印象、つまりカッコが大事だ。
まず、真っ黒なサングラス。それに、黒ずくめの服。

季節はまだ夏の終わりだが、黒マントも要るだろう。
黒のマスクも必要だ。おまけは黒のステッキ。


こんな出で立ちで、ブラックなんダーは“若者の街”吉JO寺駅に向かったのである。


「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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