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ブラックなんダー
「ブラックなんダー」 黒の恨み唄A 【作詞家編(2)】

ブラックなんダーが「やっぱり、芸術家になろう」と決意したとき、テレビの懐メロ番組からある歌が流れた。

その歌を歌っていたのは、サングラスをかけ長髪の老人だった。

・・・声は悪くない。なかなか味のある節回しだ。
とくに題名が良かった。『黒の●唄』。

嘆くような、なんとも切ない、それでいて開き直ったようなメロディが繰り返される。
歌詞は「反体制的」でもある。それにしても、なんで「黒」なんだろう?

結構暗い感じの曲で、まさに「黒=ブラック」だ。
すっかり、ブラックなんダーは理屈抜きに気に入ってしまった。虜になったと言っても良い。

「そうだ! 歌を作ろう」「そして、自分で歌おう」そう彼は考えた。

自分で歌おうと考えた理由は単純だ。
印税とやらを独り占めしようという魂胆だった。
シンガー・ソングライターというやつだ。

そして、彼はまずサングラス、それも真っ黒なヤツを買うことから仕事初めとした。
近くの神社の縁日の夜店で、1000円でもとめた。


「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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