|
【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (21) |
---|
アルコールのせいもあり、ブラックなんダーはあっさりと寝入ってしまった。 しかし、妻の白妙はあきらめていなかった。 「教えない」「秘密」などといわれると、どうしても知りたいのが人情、人のサガ(性)というものだが、それどころのものではないようだ。 寝付いたブラックなんダーのとなりで、白妙の方はまんじりともしないで夫を見つめていたが、ふっと、あることに気が付いた。 ブラックなんダーは、よく寝言を言うのである。 睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があるとことが知られるが、前者では身体が眠っているのに、脳が活動している状態と言われる。 「レム睡眠」のときは夢を見やすく、寝言の内容も、夢の中での自分のセリフや、脳が考えた取り留めのない単語が口からこぼれ出がちである。 しかも、ふつう、寝言とははっきり聞き取れない「ムニャムニャ」などというものであるが、ブラックなんダーの寝言は、ひじょうにはっきりとした発音でよく聞き取れるものなのである。 もともと隠し事が得意でないブラックなんダーではあるが、寝てからは秘密の保持も何もない、全てだだ漏れ、思考状態が丸裸と同じなのである。 この状態でなら、ブラックなんダーからうまく「秘密」を聞き出せることが出来るのでは・・・ さすが白妙、頭の良い女が相手では、油断も隙もあったものではない。 この作戦はピッタリと的中し、彼女はブラックなんダーの師匠、ブラック・マイスターの秘密の過去を聞き出してしまったのである。 普通だったら、ブラック・マイスターの過去など、ただの「トンデモ話」である。 しかし、白妙は事実であると確信した。 それも、なんの疑いもなく、すべてが真実であることを理解したのだった。 これは、なんということだろう!? 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 |
|
Copyright (C) 2013 OMP All rights reserved. |