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【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (19) |
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ブラックなんダーが新婚旅行の行きに先選んだ場所は静岡の熱海という温泉地である。 かつては団体客が溢れ、宴会のメッカと言わんばかりであった町も、今ではすっかり落ち着いている。 有名な『金色YA叉』の一場面である「貫ichiお宮」の銅像が建っているそばの、古びてはいるが、格式のある宿に二人は泊まることにした。 部屋は二間続きの純和風、それに化粧台のついた小部屋がある。昭和の風情が漂う造りだ。 お風呂はもちろん温泉である。体の温まる、古来からの名湯である。 食事は山海の珍味。 ことに、伊勢エビの刺身など、目前の相模灘でとれた海の幸は素晴らしい。 アワビは目の前でコンロの火にかけられ、踊るようにして動き、やがて動かなくなる。 残酷焼きの名前通りだ。 この残酷な光景は、彼女・白妙には好ましいものではなかったようである。 しかし、バターと醤油をたらし、ナイフで切ってブラックなんダーが彼女に取り分けてあげると、美味しそうに食べていた。 ブラックなんダーは、すっかり師匠のブラック・マイスターの事など忘れ、二人の世界を楽しんでいた。 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 |
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