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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (16)

ブラックなんダーの師匠、ブラック・マイスターは実に凄い人物である。

師匠によれば、はじめて日本に来たときは、女王に鬼道を使う術を教えた。

次には、怨霊あふれる古都から遷都を当時の王に薦め、その新都は千年の都となった。

さらに、硬直化した門閥官僚政治となっていた時代に現れ、日本初の軍事政権樹立の影の立役者となった。

などなど、彼の功績を挙げればきりがない。



そんな師匠の元で修行を重ねたブラックなんダーは、充分に実力を重ねたとみえ、ある日、そろそろ独り立ちするよう言い渡された。

しかしブラックなんダーには、どうしてももう一つ会得しなければならないと考えている師匠の秘技があった。


その法は「隠れ身の法」というらしい。

これを身につければ、自分の姿を他人が見ることが出来なくなる。
それだけでなく、自分が複数の場所で同時に存在し行動することが出来るというものらしい。
まさに「色即是空 空即是色」を体現した術と言えよう。



しかし、BM師匠はその秘技をブラックなんダーに伝授しようとしない。

ブラックなんダーの魂胆がよく分かっているからである。


透明人間になったり、分身などが出来るようになったら何をしでかすか。
起業して、へんな商売でも始められてしまったら、世の中がたまったものではない。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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