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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (14)

ブラック・マイスター(BM)師匠が言う。
ブラックなんダーが習得した秘術は、『雨に打たれても、濡れない方法』というような“ちんけな術”ではないそうだ。
いったん習得してしまえば、研鑽次第でいろんなチカラがあるのだと。


まず第一に、他人の考えていることがすべて見通せる。
その人の考え方が外に出る前、「オーラ」になる前に分かるようになるからだ。


次に、降りかかる災難を察知して避けることが出来る。
万物が持つ「オーラ」を感じられる様になるからだ。


おまけに、自分の語る言葉で人を取り込んでしまうことが出来る。
他人の「オーラ」を自分の「オーラ」で染めてしまえるからだ。


つまり、最初の修行であり、また最後の修行なのだ。



・・・ところでこの師匠、BMとは、果たして何者なのか?

ブラックなんダーが修行を始めて三ヶ月も経った頃であろうか、やおら師匠に聞いてみた。
どうしても師匠の正体が知りたかったからである。

何でも気さくに話してくれる師匠も、この質問に関しては回答を渋り、はぐらかしたりしていた。
しかし、ブラックなんダーの筋が良く、だいぶ修行が進んで来たと判断したためだろう、ある日おもむろに、つぶやくようにして語り出したのである。

「これから私の言うことは、絶対他言してはいけませんよ。もし仮にあなたが私のことをしゃべったら、その瞬間、私は消えていなくなるのですから」と言った。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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