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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (13)

ブラック・マイスター(BM)師匠は、手にしている銀のステッキを警策(禅宗で、修行僧を激励するために用いる板)のように振りかぶった。

そしてそのまま、「喝 !」という強烈な一喝と共に、ブラックなんダーの肩に打ち据えた。
その一喝は常識を越え、大音響となり、滝の音さえかき消すほどのものであった。


その瞬間、ブラックなんダーの身体は吹っ飛ばされたたが、同時に煩悩も体内から飛び去り、彼は悟りの境地に達した。


彼の体から黄金色の光が滲み出すかのように発せられ、やがて彼の体は薄ピンク色の厚い殻のような膜に包まれたのである。
俗に言う「オーラ」というものだろう。

ブラックなんダーは静かに立ち上がり、改めて滝に向かって歩き始める。

滝が落ちる水面の高さに飛び石が連なり、歩いて滝の落ちる下まで行くことが出来る。

不思議なことに、彼は滝に打たれたが、水は彼が張っているバリアではねつけられ、ブラックなんダーの身体は髪の毛一本たりとも水に濡れることはない。

師匠が言うには、この現象は滝行だけでなく、街中に降る雨でも同じだと言う。

凄いことになった!

彼は「験力」(げんりき)を得たのである。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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