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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (12)

最初の修行とはいえ、『雨に打たれても、濡れない方法』の会得は簡単ではない。

一番大切なことは強い「念」をもつことだ。
自分の体の周りは“卵の殻”のように、厚い“何か”にくるまれていると強く意識することだ。

ブラック・マイスター(BM)師匠は、ブラックなんダーを滝に連れて行った。

その滝は古来より修験道の聖地であり、名前を「無我の滝」という。
東京都のずっと西の果て、とある竹林の脇にあるのだが、一般人が訪れることはほとんど無い。


滝行の際の装束は白い衣が基本である。
おおよそブラックなんダーには似つかわしくない出で立ちだが、修行のためには仕方ない。


先ずは、無我の境地に入るための瞑想から始まる。
「何もない、我もないということ」を想う、無を念じるのである。

ところが、妄想がそれを邪魔する。
「今日の夜は何を食べようか」とか、「来るときにすれ違ったキレイなおねえちゃんのこと」etcetc・・・。
意識しないようにすればするほど、極めて低俗でふしだら、お下劣な雑念ばかりが湧き出るようにして浮かんでくる。

もちろん、BM師匠にはブラックなんダーの雑念はお見通しだ。
テレビの画面を見るかのように分かっている。

しばらくは、じっとブラックなんダーの様子を見ていた。
が、弟子の妄想の中に『ピーッ!』と放送禁止用語が入るさまを見て、あまりのひどさに落胆し『喝』を入れた。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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