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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (9)

こんな暇な毎日を過ごしいてる時に、ブラックなんダーは師匠ブラック・マイスター(BM)の意外な一面を見ることになる。

それは、BMにはじめてあったときの“ゾクゾクするような”凄みを彷彿とさせるものだった。


ある日の夕方、とある街の雑踏でのことである。

繁華街の街中には珍しく、犬を散歩させている中年の女性がいた。

彼女は、いわゆる水商売の女性らしい。
すさんだ生活とは言わないが、色々と浮き沈みの多い人生であったに相違ない。
厚化粧の奥に隠れた皺がそれを物語っている。

BMは、彼女が連れている犬に向かってしゃがみ込み、頭を撫でながら何かを語りかけたのである。

もちろん、聞き取れるようなものではない。
日本語でもない、英語でもない。もちろん、犬語でもない・・・だろう、たぶん。

飼い主からの、胡散臭げな視線を浴びながら、それを全く無視してBMは何事かを発し続けた。


犬はチワワらしく、華奢なカラダつきで、その細い脚は触っただけで折れてしまいそうだ。


「キャンキャンと、耳障りな高い声で鳴くから、この手の犬はキライだな・・・」
そんなブラックなんダーの思いに反して、犬はBMと同じような低い声でゆっくりと鳴いた。

犬はBMの言葉にうなずくようなそぶりを見せながら、何事かを答えているようだ。
幾度となく、BMと犬のやりとりが交わされたのち、飼い主の女性の「ほら、行くよ」の声で、犬は散歩に戻って行った。


この光景を見ていたブラックなんダーはBMに質問した。

「師匠は、あの犬と何を話されていたのですか?」



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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