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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (8)

『ブラック・マイスター』(以下、『BM』と呼ぼう)は、ブラックなんダーの弟子入りを許した。

弟子をとるつもりはなかったが仕方がなかった。
しつこくつきまとわれては、許さざるを得ない。
まぁ、ブラックなんダーのそばで演説などしたのが運の尽きだ。

とはいえブラックなんダーも、弟子入りしたからと言っても、何をするわけではない。
落語家や芸人の弟子なら、師匠の家に住み込み、掃除洗濯から家事手伝い全般をこなし、ちょっとの稽古をつけてもらうのが普通だ。
しかし、『BM』は舞台に立つわけでもなく、決まった時に街頭演説するわけでもない。

ブラックなんダーは『BM』が外出するたびについて行くが、この一週間いっこうに演説をはじめるそぶりさえない。
どうやら“なにか”というものからの指令が発せられないらしい。

ブラックなんダーは、暇で暇でしょうがない。『BM』は、のんびりとした足取りで町中を歩き回るだけなのである。

彼はたまらず、師匠に聞いてみた。
「先生、そろそろ一発打(ぶ)たないですか?」

「“ぶつ”とは、はしたない言葉ですねぇ」などと『BM』はのたまっている。
まるで某刑事ドラマの主人公、杉下U京、のような話しぶりで。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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