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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (6)

ブラックなんダーは、この老紳士の弟子になろうと考えた。

きわめて安直、安易、いい加減。
だが、変なプライドに囚われないとこが、実に彼らしい。


彼は、老紳士に向かって中世の騎士が膝を折って礼をするような仕草で深々と頭を垂れ「ぜひ、あなたの弟子にしてください」と懇願した。

老紳士は笑ってこう言った。
「私が、なぜ君の前で語り始めたかお分かりか?」

語り口は穏やかで優しいが、ゾクゾクするものを感じる。まさに達人の領域だ。

まるで大剣豪が刀を持たずして目の前の人間を斬り倒すような迫力、身震いするような感覚である。


ブラックなんダーには、この老人の凄さが肌身をもって伝わってくるのである。
彼もまた、達人なのであろう・・・・・ある意味では。


だが、彼は質問に答えることができない。
老紳士の“気”に圧されて、考えることすら出来なくなってしまったからである。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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