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ブラックなんダー

【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (5)

雷鳴の如き絶叫から始まり、揺らぐような抑揚で語る老紳士の話は、短くもなく、長いものでもなかった。
おおよそ10分程度だったろう。

彼の話のエンディングは、実に爽やかなものであった。
人の心に勇気を与え、生きる力を自らが湧き出させる、そんな力を持った話であった。

「そう、生きることは素晴らしい! 今より、美しい明日が必ずやってくる!
 そして、明日はあなたに作られるためにやってくるのだ! あなたには、それだけの価値がある!」



・・・すばらしい! 何という名スピーチだ。
短い時間の間で、これだけ多くの人の心を揺さぶり感動を与えることができる。
ブラックなんダーは大いに感心した。

ブラックなんダーがとっさに何を考えたかは、容易に想像がつくことだろう。

「弟子にしてもらおう!」 実に単純だ。

自分よりも優れた者には素直に従う。プライドよりも、実利を追う。

彼の心がけは本当に立派である。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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