|
【ブラックなんダー】 「人生は修行だ!」の巻 (2) |
---|
いったん決意(思いつき)してからのブラックなんダーの行動は素早い。 後先は考えない。 猪突猛進、後悔先に立たず、覆水盆に返らず、だ。 ・・・何のことだか、さっぱり分からない、相変わらず支離滅裂である。 彼は、会社探しから始めた。 だが、一般の人がどのようにして求職活動するのかすら知らない。 そこで彼が考えた策がこれだ。 A3版ぐらいの厚紙に、こう大書して胸と背中に吊した。 「ブラック企業への就職希望者 条件 多ければ多いほどOK」 そして、独り寒風吹きすさぶ新宿の街に立ったのだった。 頃は師走、足早に過ぎゆく人の群れは、ブラックなんダーの存在など無いかのごとく去っていく。 彼は「孤独というものは、巷の喧騒のなかにこそある」と感慨を深くしたのであった。 彼の出で立ちは、例のごとく黒ずくめ。冬の夜だけに黒のロングコート、それにトレードマークのサングラス。 こんな人間に近づく奇特な人はまずいない。怪しすぎる! 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 |
|
Copyright (C) 2012 OMP All rights reserved. |