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ブラックなんダー

「ブラックなんダー」 ブラックな小説 H

ここまで、ブラックなんダーは小説『黒熊』を書き進め、あらためて自分の眠っていた小説家としての才能に目覚めを感じた。

なかなかの出来だ。ストーリーも申し分ない。
黒熊と男の人物描写、心理的表現などなまじの小説家などで書けるものではない。

それに、流れるような美しい文体はどうだ! 
もう、俺はパクリ作家なんかじゃない!

ブラックなんダーは自信に満ちあふれていた。
短編作家として自身が完全に復活するかのように思われた。


・・・・ しばらくの間は。


小説にとって一番の問題はエンディングだ。
締めくくりが良くないとダメだ。

しかも、推理小説はドンデン返しが必要だ。
これがないと、落ちのない落語みたいになってしまう。
そこで、彼は練りに練ったエンディングを考えた。

・・・だが、彼は結末を考えることが出来ず、いつしか小説『黒熊』は、短編ではなく長編小説になってしまった。
話は続き、巻数も2ケタとなり、短編のはずが大作になってしまったのだった・・・。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」

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