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ブラックなんダー

「ブラックなんダー」 怪奇譚 K 【安BE晴明編その9】

「ブラックなんダー」と晴明が、ある屋敷で若い公家たちや僧たちと談笑している時のこと。

晴明は、あるひとりの若い公家から、「(陰陽道の力で)人は殺せるのか?」と問いかけられた。

「殺そうと思えば殺せるが、生き返らせられるかどうかわからないので、人を殺す術は使いたくありません。」
晴明が答えると、そこにいた連中が「できないからそんな事を言っているのだろう。」と返してきた。

 ふと庭先を見ると、一匹のカエルがいた。
誰ともなく「ならば、そのカエルを殺して見せよ。」という事になった。

 晴明は草の葉をひとつ摘み取って呪文を唱え、ス〜っとカエルに向かって投げた。
するとカエルは、軽いはずの葉っぱに押しつぶされ、ペチャンコになって潰れて死んでしまった。

 そこにいた一同、顔面蒼白。晴明の術の恐ろしさにブルブルと震え上がった、とさ。

「ブラックなんダー」がその場で何をしておったかって? 『カエルの歌』を口ずさんでおったそうじゃよ。




「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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