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ブラックなんダー

「ブラックなんダー」 怪奇譚 A 【光と闇】

 いちばん暗い時というものは、必ずしも真っ暗な時ではない。
何故なら、「闇」は「光」とまったく正反対の存在であると同時に、光の存在なしにはありえないものなのである。
つまり、表裏一体なのだ。

 17世紀初めのフランス宮廷画家・ジョルジュ・ラトゥールの絵は興味深い。
『聖ヨセフ』などの作品では、ろうそくのわずかな光が、闇の暗さをいっそう引き立てているではないか。

 「闇は死で、光は生」という見方はあまりに薄っぺらだ。
闇の深さの中に光があり、光の中にこそ闇が秘められているのだ。

 暗い闇のはざまでたゆたいながら「ブラックなんダー」は想うのだった。


さて、前置きはこのくらいとして、いよいよ怪奇な世界に入っていくことにしよう。



「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」


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