|
「ブラックなんダー」 幕末麺麭屋伝 A |
---|
ある日、はじめて見た『パン』というものに「ホワイトなんダー」は心を奪われた。 小麦粉から『パン』がつくられることを知った「ホワイトなんダー」は、自己流で『パン』を作ってみた。 しかし、うまくいかなかった。 江戸時代、小麦粉と言えば、ほとんどが「うどん粉」だった。 今日では一般に「小麦粉」と言えば、強力粉、薄力粉、その中間の中力粉に分けられる。 小麦粉がこのように分かれるのは、成分のグルテン、つまり粘り成分の多い少ないで決まるのだ。 ちなみに、中力粉で作られるパンがフランスパンで、ふつうのパンは強力粉で作られる。 「うどん粉」は薄力粉よりの中力粉で、パン作りにはあまり向かない。 しかし「ホワイトなんダー」は『パン』を作りたかった。 なぜなら、「ホワイトなんダー」は白いものが大好きだった。 パンは内側が白く、外側が黒っぽい。 「ホワイトなんダー」はそこに、「ブラックなんダー」との融合を夢見たのだ・・・・・。 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」 |
|
Copyright (C) 2012 OMP All rights reserved. |